※この記事は『PERFECT DAYS』のネタバレを含みます。
監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:ヴィム・ヴェンダース、高崎卓馬
主演:役所広司(平山)
なぜこの映画を観ようと思ったのか
この映画を観ようと思ったのは、「心が疲れている時に観ると、じんわりと心があたたまる作品」とAIに勧められたからです。
「何気ない毎日を過ごせること自体が幸せなんだ。」
そんなことを感じられる映画なのだろうと期待して観始めました。
私が感じたこと
でも、実際に私が感じたのは「とてつもない孤独感」でした。
平山は、毎朝箒を履く音で目を覚まし、布団をたたみ、顔を洗い、髭をそり、植物に水を与えます。
自動販売機で缶コーヒーを買い、カセットテープを流しながら車で清掃現場へ向かう。
トイレを掃除し、仕事を終えると銭湯へ行き、いつもの居酒屋で同じメニューを食べ、本を読み、眠くなったら眠る。
そんな穏やかな日常が、淡々と繰り返されていきます。
多くの人は、この何気ない日々の中に温かさや幸せを感じるのかもしれません。
でも私は、その暮らしの中に幸せを見つけることができなかったんですよね。
平山は、毎日の小さな出来事に無理やり幸せを見つけようとしているように見えたのです。
無理やり笑おうとして、「この生活でいいんだ」と自分に言い聞かせている。
そんなふうに感じてしまいました。
最後の表情
特に印象に残ったのは、ラストシーンです。
車を運転しながら、笑っているようにも泣いているようにも見える、言葉では表せない表情。
あの表情を見て、私は「穏やかな人だ」とは思えませんでした。
人生を諦めてしまったというより、諦めざるを得なかった人。
孤独を抱えながら、それでも必死に今日を生き続けている人。
私には、そんなふうに映りました。
だから、この映画から受け取ったものは「小さな幸せを大切にしよう」というメッセージではありませんでした。
むしろ、「どれだけ穏やかな日常があっても、人とのつながりや温もりがなければ、私は幸せとは感じられないんだ」という、自分自身の価値観に気づかされた作品でした。
